 
          海外の論文や業務資料を読む際、Google翻訳は非常に心強い味方です。しかし、いざPDFファイルを翻訳しようとした際に「なぜか翻訳が始まらない」「エラーが出てしまう」といった予期せぬ壁にぶつかり、作業が止まってしまった経験はありませんか?
その問題は、多くの場合、Google翻訳の性能ではなく、翻訳しようとしているPDFファイルそのものに潜む「特徴」が原因です。
この記事では、Google翻訳でPDFが翻訳できないという問題に焦点を当て、その原因となる4つの特徴を特定し、今すぐ試せる具体的な対処法を分かりやすく解説します。
目次

特徴①:ファイルが「重すぎる」または「長すぎる」(10MB・300ページ制限)
Google翻訳でPDFが翻訳できない最も一般的で、かつ見落としがちな原因は、ファイルがGoogle翻訳の定める物理的なサイズの上限を超えていることです。これはツールの不具合ではなく、無料で提供されるサービスとしての明確なルールです。
具体的には、Google翻訳のドキュメント翻訳機能には、一度に処理できるファイルに対して以下の2つの厳格な制限が設けられています。
このどちらか一方でも超過している場合、ファイルは翻訳対象として受け付けられません。現代のビジネス文書や研究論文は、高解像度の画像や詳細なグラフをふんだんに使用しているため、見た目のページ数が少なくても、ファイルサイズが10MBを簡単に超えてしまうことがあります。
例えば、数十ページにわたる製品カタログや、写真が多用された市場調査レポートなどが典型例です。同様に、数百ページに及ぶ技術仕様書や学術論文の全文PDFは、ページ数の上限に抵触する可能性があります。
ユーザーは通常、文書の内容に集中しているため、そのファイルの「重さ」や「長さ」といった物理的なプロパティを意識することは少ないでしょう。そのため、いざ翻訳しようとした段階でこの制限に直面し、「理由が分からず翻訳できない」という状況に陥りがちです。
したがって、翻訳エラーが発生した場合、複雑な問題を疑う前に、まずは翻訳したいPDFファイルのプロパティを確認し、サイズとページ数が規定内に収まっているかをチェックすることが、問題解決への最も確実な第一歩となります。
ファイルサイズやページ数の制限をクリアしているにもかかわらず、翻訳が全く進まない、あるいは翻訳結果が空白になってしまうことがあります。この不可解な現象の多くは、PDFファイルの中身の構造に原因があります。具体的には、PDFに表示されている文字が、PCが認識できるテキストデータではなく、単なる「画像」として扱われているケースです。
PDFファイルには、その成り立ちによって大きく2つの種類が存在します。
Google翻訳のドキュメント翻訳機能は、ファイルの中からテキスト情報を抽出し、それを翻訳する仕組みで動作します。そのため、文字情報を持たない「画像ベースPDF」をアップロードしても、翻訳対象となるべきテキストを見つけることができず、結果として翻訳プロセスが失敗に終わるのです。この問題は、特に古い学術論文や、紙で配布された会議資料をデジタル化した際によく発生します。
この原因に気づかずにいると、「ファイルは小さいのになぜ翻訳できないのだろう」と、無駄な試行錯誤を繰り返すことになりかねません。翻訳がうまくいかない時は、まずそのPDFファイルを開き、マウスで文字を選択できるかどうかを試してみてください。もし文字が選択できなければ、そのファイルは画像ベースPDFである可能性が非常に高く、翻訳するためには後述する「OCR」という別の技術を用いた対処が必要になります。
ファイルサイズは規定内で、テキストも選択できる。それにもかかわらず翻訳が失敗する場合、見落としがちな原因としてPDFファイル自体にかけられた「保護(セキュリティ)設定」が考えられます。PDFには、文書の改ざんや意図しない複製を防ぐため、作成者が特定の操作を制限する機能を備えており、これがGoogle翻訳の処理を妨げる壁となることがあります。
このセキュリティ機能は、一般的に「コピーガード」と呼ばれ、ファイルを開いて閲覧はできても、内容のコピーや編集、印刷といった操作を禁止するものです。Google翻訳のドキュメント翻訳は、アップロードされたファイルからテキストデータを内部的に「コピー」または「抽出」し、それを翻訳エンジンに渡して処理を行います。そのため、PDFに「内容のコピーを許可しない」という権限設定がされていると、翻訳ツールはテキストデータにアクセスができず、翻訳プロセスを開始できないのです。
この原因が厄介なのは、見た目上は普通のPDFと変わらないため、非常に気づきにくい点です。ファイルを開いて普通に読めるため、まさか裏でコピーが禁止されているとは思い至らないケースが多く、ユーザーを混乱させます。
上記のような、著作権や機密性を保護する必要がある文書では、こうしたセキュリティ設定が施されていることがよくあります。この問題に該当するかどうかを確認する最も簡単な方法は、PDFファイルを開き、中のテキストをマウスで選択してコピー(ショートカットキー:Ctrl+C)しようとしてみることです。もしコピーができない、あるいはテキスト選択自体ができない場合は、ファイルが保護されている可能性が濃厚です。この場合、残念ながらGoogle翻訳で直接翻訳はできず、保護を解除するなどの別の対応が必要になります。
翻訳処理は完了し、ファイルもダウンロードできたものの、開いてみたら「文字が重なって読めない」「図や表の位置がずれて意味が分からない」という状態も、実質的には「翻訳がうまくできない」状況の一つです。この問題は翻訳エラーではなく、PDFというファイル形式が持つ根本的な特性と、翻訳という処理の間に生じる避けがたいミスマッチが原因です。
この問題の根源は、PDFが文字や画像の配置を固定して表示する「静的な」フォーマットである点にあります。PDFは、作成された時点での見た目を保証する、いわば「電子的な紙」です。
一方、翻訳、特に英語から日本語への翻訳では、一般的に文字数が増加し、文章全体のボリュームが変わります。これは、レイアウトを柔軟に変更する「動的な」処理です。Google翻訳はPDF内のテキスト部分を機械的に置き換えますが、PDFが元々持っているテキストボックスのサイズや段組みの幅といったレイアウトの枠組みまでは変更してくれません。
その結果、以下のような様々なレイアウト崩れが発生します。
この問題は、学術論文、デザインされたカタログ、技術マニュアルなど、複数の段組み、複雑な表、グラフが多用されている文書で特に顕著になります。シンプルなテキストのみの文書であれば問題は少ないですが、ビジネスや研究で扱う多くのPDFはそうではありません。そのため、Google翻訳でPDFを翻訳する際は、ある程度のレイアウト崩れは避けられないものとして、内容の概要把握を主目的と割り切る心構えも重要です。

対処法①:重い・長いPDFは「分割」または「圧縮」で対応する
Google翻訳の10MB・300ページという上限は、翻訳を諦める理由にはなりません。この物理的な制限は、翻訳前にファイルへ一手間加えることで簡単に回避できます。
解決策のポイントは、「ファイルをGoogle翻訳が受け入れられるサイズに加工する」ことであり、そのための有効な手段が「圧縮」と「分割」です。どちらの手法を選ぶかは、ファイルがなぜ大きいのか、その原因によって判断します。
画像の多いファイルには「圧縮」が有効
PDFのファイルサイズが大きくなる主な原因は、中に含まれる画像のデータ量です。この場合、PDFの品質をできるだけ維持しながらファイルサイズだけを小さくする「圧縮」が効果的です。現在では、ソフトウェアをインストールすることなく、ブラウザ上で手軽に使える無料のオンライン圧縮ツールが数多く存在します。例えば、「PDF24 Tools」のようなサービスが有名です。使い方は非常に直感的で、サイトにアクセスし、ファイルをアップロードして圧縮ボタンを押すだけで、10MBを超えていたファイルが規定内に収まるケースは少なくありません。
ページ数の多いファイルには「分割」が有効
一方、画像は少ないものの、数百ページにわたる長文の論文やマニュアルなどでファイルサイズが大きくなっている場合は、「分割」が最適な解決策です。PDFを10MB以下になるように複数のファイルに分けることで、それぞれのファイルをGoogle翻訳にかけることができます。こちらも「iLovePDF」や「Smallpdf」といった無料のオンラインツールで簡単に行えます。これらのツールを使えば、「1〜100ページ」「101〜200ページ」のようにページ範囲を指定して、一つの大きなPDFを複数の小さなPDFに分割できます。手間は少し増えますが、これにより300ページを超える文書でも、制限を回避して翻訳が可能になります。
これらの無料で利用できるオンラインツールをブックマークしておけば、ほとんどのサイズ超過の問題は迅速に解決できるでしょう。
紙の書類をスキャンして作成した「画像ベースPDF」は、Google翻訳がテキストを認識できないため、そのままでは翻訳できません。この一見すると手詰まりに見える問題を解決する鍵となるのが、「OCR(Optical Character Recognition:光学的文字認識)」という技術です。
OCRとは、画像データの中から文字の形を認識し、それを編集可能なテキストデータに変換する技術のことを指します。このOCR処理を翻訳の前に行うことで、これまで翻訳を諦めていたスキャン文書もGoogle翻訳で扱えるようになります。
そして、この強力なOCR機能を、実は多くの人がすでに利用しているツールで、しかも無料で行うことができます。それが「Googleドライブ」です。特別なソフトをインストールする必要はなく、以下の手順で簡単に画像ベースPDFをテキスト化できます。
この方法で生成されたテキストは、通常の文章と同様にマウスで選択し、コピーができます。あとは、このテキストをGoogle翻訳に貼り付ければ、これまで不可能だったスキャン文書の翻訳が可能になるのです。
もちろん、OCRの精度は元のスキャンの品質(解像度や傾きなど)に影響されるため、100%完璧とは限りませんが、多くの場合、内容を理解するには十分な精度でテキストを抽出できます。この一手間を知っているだけで、翻訳できる資料の幅が格段に広がります。
Google翻訳でPDFを翻訳した際に発生する最も厄介な問題が「レイアウト崩れ」です。これを完全に防ぐことは難しいですが、その影響を大幅に軽減し、翻訳後の修正作業を格段に楽にする非常に効果的な裏技があります。それは、翻訳にかける前に「PDFを一度Microsoft Word (.docx) 形式に変換する」という一手間を加える方法です。
この方法がなぜ有効なのか、その理由はPDFとWordのファイル形式の根本的な違いにあります。PDFは文字や画像の位置を固定して表示する「固定レイアウト」形式ですが、Wordは文章量に応じてページの長さや改行位置が柔軟に変わる「リフロー型」の形式です。英語を日本語に訳すと文字数が増えますが、固定レイアウトのPDFでは、長くなった文章が元の枠に収まらずレイアウトが破綻します。しかし、リフロー型のWordファイルであれば、文章が長くなっても自動的に改行やページ区切りが調整され、文章全体の構造が保たれやすくなるのです。
PDFからWordへの変換は、Adobe Acrobatの有料版がなくても、無料のオンライン変換ツールで簡単に行えます。ブラウザ上でPDFをアップロードするだけでWordファイルに変換可能です。
また、レイアウト崩れに関連するもう一つの小さな問題として、PDFからテキストを部分的にコピー&ペーストした際に、意図しない改行が入って翻訳精度が落ちるケースがあります。これを解決する簡単なテクニックとして、コピーしたテキストを一度ブラウザの検索バーに貼り付け、それを再度コピーしてからGoogle翻訳にペーストする方法があります。
検索バーは不要な改行を自動的に除去してくれるため、よりクリーンなテキストを翻訳にかけることができます。これらの「変換」や「ひと手間」は、翻訳後の可読性を大きく左右します。特に、表や図を含む文書の翻訳結果を誰かと共有する可能性がある場合には、ぜひ試していただきたいテクニックです。

注意点①:専門用語が誤訳される「翻訳精度の限界」
Google翻訳は日常的な文章や一般的なビジネス文書の概要を把握する上で非常に優れたツールですが、その能力には限界があることを理解しておくことが重要です。
特に、専門性の高い分野の文書を扱う場合、自動翻訳の精度を過信するのは危険です。機械翻訳は、膨大な量のテキストデータを学習することで、文脈に応じた自然な翻訳を生成しますが、その能力は学習したデータに大きく依存します。
そのため、一般的な会話やニュース記事などでは高い性能を発揮する一方、特定の専門分野でしか使われない用語や、業界特有の言い回し、文脈に深く依存する微妙なニュアンスの翻訳は依然として苦手としています。
例えば、以下のような文書を扱う際には特に注意が必要です。
Google翻訳の結果は、あくまで「下訳」や「内容を推測するためのたたき台」として捉えるべきです。翻訳された日本語が自然に見えても、原文の専門的な意図が正確に反映されているとは限りません。
結論として、文書の重要度や専門性が高いほど、Google翻訳だけに頼るのはリスクが伴います。正確な理解が不可欠な場面では、翻訳結果を専門知識のある人が必ずレビューするか、より専門分野に特化した有料の翻訳ツールや、プロの翻訳者に依頼することを検討すべきです。自動翻訳の利便性を享受しつつ、その限界をわきまえて使い分けることが、賢明な活用法と言えるでしょう。
Google翻訳は無料で手軽に利用できる反面、ビジネスで利用する際には見過ごすことのできない「セキュリティリスク」という側面があります。
特に、機密情報や個人情報を含むPDFファイルを扱う場合、その利便性の代償として情報漏洩のリスクを負う可能性があることを十分に認識しておく必要があります。この問題の核心は、無料のオンラインツールがどのように運営されているかという点にあります。Google翻訳の利用規約には、ユーザーがアップロードしたファイルが、サービスの品質向上(AIの学習データなど)のために収集・利用される可能性があると明記されています。
これは、悪意のある第三者への情報漏洩を意味するものではありませんが、一度Googleのサーバーにアップロードされたデータが、完全に自分たちの管理下から離れてしまうことを意味します。ビジネスシーンでは、日常的に以下のような機密性の高い情報がPDFでやり取りされます。
このような情報を含むPDFを安易にGoogle翻訳にアップロードすると、意図せず機密保持義務に違反したり、情報漏洩のインシデントを引き起こしたりするリスクがあります。したがって、セキュリティが最優先される文書の翻訳において、無料のオンライン翻訳ツールの使用は絶対に避けるべきです。
対策としては、データの機密保持を保証している有料の翻訳サービスを選択することが不可欠です。例えば、有料版の「DeepL Pro」は、翻訳データがサーバーに保存されず、翻訳後すぐに削除されることを保証しており、多くの企業で採用されています。利便性やコストも重要ですが、ビジネスの信頼の基盤である「情報セキュリティ」を損なわないよう、ツールの選定は慎重に行う必要があります。
スマートフォンで手軽にPDFを翻訳したいと考える方は多いでしょう。しかし、ここで明確にしておくべき重要な事実があります。それは、PDFをファイルごと翻訳する「ドキュメント翻訳」機能は、PCのブラウザ版限定の機能であり、スマートフォンのGoogle翻訳アプリには搭載されていない、ということです。
アプリを開いてもファイルを選択するボタンが見つからず戸惑った経験があるかもしれませんが、それはアプリの不具合ではなく、PC版とスマホ版の仕様上の違いなのです。
では、スマホではPDFを全く翻訳できないのでしょうか。いいえ、代替策は存在します。それがアプリに搭載されている「カメラ機能」を活用する方法です。これは、PDFファイルそのものを読み込むのではなく、画面に表示されたPDFの文字をカメラでリアルタイムに翻訳するアプローチです。出先で急いで数ページの資料の概要を把握したい場合などに非常に役立ちます。
しかし、この手軽さゆえの限界も理解しておく必要があります。
したがって、スマホのカメラ翻訳は、あくまで「緊急避難的」または「補助的」な使い方と位置づけるのが適切です。数ページの概要をざっと掴むには便利ですが、文書として内容をしっかり確認したり、翻訳結果を保存・共有したりする必要がある本格的な翻訳作業には、PCのブラウザ版を利用することが不可欠です。

選択肢①:レイアウト維持を最優先する高機能ツール
Google翻訳では難しい、翻訳後の「見た目」を重視する場合、つまりレイアウトの維持が最優先課題であるならば、その目的に特化した専門ツールへ目を向けるのが賢明です。
これらのツールは、PDFの複雑な構造を解析し、翻訳されたテキストを元のデザインに極力近い形で再配置する高度な技術を備えています。特に、図表や画像が多用された報告書や、デザイン性が重要なカタログなどを扱う際にその真価を発揮します。
代表的な選択肢として、以下の3つが挙げられます。
| ツール名 | 特徴 | 
| DocTranslator | その名の通りドキュメント翻訳に特化したオンラインサービス。Google翻訳のエンジンを利用しつつも、独自のフレームワークでレイアウト維持能力を高めているのが特徴です。アップロードされたファイルが一定時間でサーバーから削除されるなど、セキュリティにも配慮されています。 | 
| Adobe Acrobat | PDFフォーマットの開発元であるAdobeが提供するプロフェッショナルツール。近年搭載された生成AI機能「AI Assistant」により、PDFの構造を最も深く理解した上で翻訳を行うため、レイアウトの再現性が非常に高いです。デザインを一切損なわずに多言語化したい場合に最適です。 | 
| Readable | 論文や技術資料といった専門文書に特化した国産サービス。独自のレイアウト保持技術で、図表や数式を含む複雑な文書に強いのが特徴です。翻訳後も原文と訳文を左右の見開きで比較しながら読み進められるため、内容を正確に理解したい研究者や技術者に適しています。 | 
これらのツールは、Google翻訳でありがちな「テキストは訳されたが、どこを読んでいるのか分からない」というストレスを大幅に軽減してくれます。翻訳後の修正作業の手間を省き、すぐにでも実用的な資料として活用したい場合には、これらの高機能ツールへの投資を検討する価値は十分にあるでしょう。無料プランやトライアルを提供しているサービスもあるため、まずはその性能を試してみることをお勧めします。
Google翻訳の翻訳品質に満足できず、より自然で正確な日本語訳を求める場合、特に専門分野の文書を読む際には、翻訳エンジンの「質」にこだわったツールを選ぶことが重要です。機械翻訳の精度は、その頭脳であるAIの性能に直結します。近年、Google翻訳を凌ぐと評価される高精度な翻訳ツールが登場しており、ビジネスや研究の現場で急速に普及しています。
ここでは、翻訳精度を極めたい場合の代表的な選択肢を2つ紹介します。
| ツール名 | 特徴 | 
| DeepL | ニューラル機械翻訳技術により、非常に自然で文脈を理解した翻訳を生成することで知られています。特に長文や複雑な構文の翻訳に強く、多くの場面でGoogle翻訳よりも流暢な訳文を出力します。PDFのファイル翻訳機能も搭載しており、有料のPro版ではセキュリティも確保されるため、ビジネス利用の標準ツールの一つとなっています。 | 
| Readable | 英文の論文や技術資料といった専門文書の翻訳に特化した国産サービスです。独自のAIエンジンとレイアウト保持技術を組み合わせ、専門分野の文書でも高い精度と可読性を両立させているのが特徴です。翻訳後も原文(英語)と訳文(日本語)を左右の見開きで比較しながら読み進められるため、原文のニュアンスを確認しつつ深く内容を理解したい研究者や技術者に高く評価されています。 | 
これらのツールは、単に単語を置き換えるだけでなく、文全体の意味や流れを汲み取って翻訳しようとします。Google翻訳の結果に違和感を覚えたり、専門用語の誤訳に悩まされたりした経験があるなら、これらの高精度ツールを試してみる価値は十分にあります。多くは無料でも利用できる範囲が設けられているため、まずは同じPDFファイルを翻訳させてみて、その品質の違いを体感してみるのが良いでしょう。
業務でPDF翻訳ツールを本格的に導入する場合、単一の機能だけで判断するのではなく、自社のニーズに合わせた総合的な視点で選定することが不可欠です。翻訳の「質」や「見た目」はもちろん重要ですが、それ以外にも「コスト」「セキュリティ」「作業効率」といった複数の要素を天秤にかける必要があります。無料ツールと有料ツールでは、これらの点で大きな違いがあるため、その特性を正しく理解することが失敗しないツール選びの第一歩です。
最適なツールを選ぶために、以下のチェックリストを参考に検討してみてください。
例えば、高精度な翻訳で知られるDeepLも、無料版と有料版では機能に大きな差があります。
| 比較項目 | DeepL 無料版 | DeepL Pro (有料版) | 
| セキュリティ | データがAI学習に利用される可能性あり | データは保護され、翻訳後すぐに削除 | 
| ファイル翻訳数/月 | 3ファイルまで | 5ファイル以上(プランによる) | 
| ファイルサイズ上限 | 5MBまで | 10MB以上(プランによる) | 
| 翻訳後のファイル編集 | 編集不可 | 編集可能 | 
このように、無料版はあくまで個人利用や試用と割り切り、ビジネスで継続的に利用する場合は、セキュリティや機能制限の観点から有料版を選択するのが基本となります。まずはいくつかのツールの無料プランを試し、自社の業務に最もフィットするものを見極めることから始めましょう。
この記事では、Google翻訳でPDFファイルが翻訳できないという具体的な問題に対し、その原因の特定から、今すぐ試せる対処法までを体系的に解説しました。これで、翻訳エラーを前にして作業が止まってしまう、という悩みは解決できたのではないでしょうか。
翻訳できないPDFには、「重すぎる・長すぎる」「中身が画像」「鍵がかかっている」「設計が複雑」といった明確な特徴があります。そして、それぞれの問題には「圧縮・分割」「OCR機能」「Wordへの変換」といった効果的な対処法が存在します。また、Google翻訳の精度やセキュリティといった限界を知り、必要に応じてより高機能なツールを選択するという視点も重要です。
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東大応用物理学科卒業後、ソニー情報処理研究所にて、CD、AI、スペクトラム拡散などの研究開発に従事。
MIT電子工学・コンピュータサイエンスPh.D取得。光通信分野。
ノーテルネットワークス VP、VLSI Technology 日本法人社長、シーメンスKK VPなどを歴任。最近はハイテク・スタートアップの経営支援のかたわら、web3xAI分野を自ら研究。
元金沢大学客員教授。著書2冊。