英語論文やビジネス文書を読まなければならないのに、専門用語が多くて理解できない…。そんな経験はありませんか?
近年、AI技術の進化により、高精度な翻訳を瞬時に行える和訳サイトが数多く登場しています。しかし、いざ和訳サイトを使おうと思っても、種類が多くてどれを選べばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
本記事では、最新のおすすめ和訳サイトを精度・機能・目的別に徹底比較し、11選としてご紹介します。それぞれのサイトの特徴を理解することで、自分にぴったりの和訳サイトを見つけることができます。ぜひ本記事を参考に、最適な和訳サイトを選んで、日々の業務や学習を効率化しましょう。
目次
和訳サイトは、主に「ルールベース翻訳」「統計的機械翻訳」「ニューラル機械翻訳」の3つの方式で翻訳を行います。
初期の「ルールベース翻訳」では、文法規則や辞書に基づいて翻訳するため、複雑な文章や表現に対応できず、不自然な翻訳になることもありました。
しかし次の世代の「統計的機械翻訳」では、大量の対訳データから翻訳パターンを学習することで、より自然で流暢な翻訳が可能になりました。
そして近年主流の「ニューラル機械翻訳」では、人間の脳の神経回路を模倣したニューラルネットワークを用いて、文脈理解力を高め、より高精度な翻訳を実現しています。ニューラル機械翻訳では、前後の文脈を考慮することで、より適切な単語や表現を選択できるようになりました。
Google翻訳は、2016年にニューラル機械翻訳を導入し、翻訳精度を大幅に向上させました。これにより、以前は不自然だった翻訳がより自然になり、よりスムーズに外国語の文章を理解できるようになりました。
和訳サイトは、無料で利用できるものと有料のものに分けられます。無料の和訳サイトは、手軽に利用できる点が魅力ですが、翻訳精度や機能が限定される場合があります。
例えば、翻訳できる文字数やファイルサイズ、用語集作成などの機能に制限がある場合があり、セキュリティ対策も万全ではない可能性があります。Google翻訳は無料で利用できますが、翻訳精度が有料のDeepL翻訳に劣るという意見もあります。
一方、有料の和訳サイトは、高精度な翻訳や豊富な機能、セキュリティ対策などが充実している点が特徴です。例えば、DeepL Pro翻訳は有料ですが、高い翻訳精度と自然な日本語の出力が評価されています。みらい翻訳は、セキュリティ対策が充実しており、機密情報を含むビジネス文書の翻訳に適しています。
利用形態としては、Webサイト上で利用するタイプ、ソフトウェアをインストールして利用するタイプ、スマートフォンアプリで利用するタイプなど、様々な種類があります。
タイプ | 利点 | デメリット |
Webサイト | インストール不要ですぐに利用可能 | オフラインでは利用不可 |
ソフトウェア | オフライン環境でも利用可能 | インストールが必要 |
アプリ | 外出先でも手軽に翻訳できる | スマホ限定 |
和訳サイトを利用するメリットは、
例えば、Google翻訳は約130以上の言語に対応しており、無料で利用できます。また、DeepL翻訳も無料で利用でき、高い翻訳精度で知られています。
さらに、和訳サイトを利用することで、
などの効果も得られます。
一方、デメリットとしては、以下の点が挙げられます。
例えば、無料の翻訳サイトでは、入力されたテキストがサーバーに保存され、アルゴリズムの改善に利用されることがあり、機密情報の漏洩リスクが懸念されます。また、専門用語の多い論文などでは正確な翻訳が難しい場合があり、誤訳や訳抜けが発生する可能性もあるため注意が必要です。
和訳サイトの翻訳結果を鵜呑みにすると、誤訳や誤解が生じる可能性もあります。最新のAI技術の進化により翻訳精度は向上しているものの、専門家による分析でも、完璧な翻訳はまだ難しいとされています。そのため、和訳サイトを利用する際は、以下の点に注意する必要があります。
和訳サイトを選ぶ際には、翻訳精度、機能、セキュリティ、料金などの要素を考慮する必要があります。
翻訳精度は、和訳サイトを選ぶ上で最も重要な要素の一つです。近年、AI技術の進化により、多くの和訳サイトで翻訳精度が向上していますが、サイトによって得意な分野や不得意な分野があります。例えば、翻訳精度が高いとされるDeepLでも、長文になると訳抜けが発生する可能性があり、注意が必要です。
翻訳精度を比較する際には、実際にいくつかのサイトで同じ文章を翻訳してみて、自分の目的に合った翻訳精度を提供してくれるサイトを選ぶと良いでしょう。
特に、形式的な文章を英語に翻訳する場合、Google翻訳は最適な効果を発揮します。一方で、くだけた文章の場合は、DeepL翻訳の方がより自然で正確な翻訳を提供してくれるでしょう。
文章量 | Google翻訳 | DeepL | ChatGPT |
---|---|---|---|
短い(2-3 センテンス) | 自然な翻訳だが、代名詞の訳し方に特徴あり | 自然な翻訳だが、代名詞の訳し方に特徴あり | 自然な翻訳だが、代名詞の訳し方に特徴あり |
1000語 | 主語が曖昧で、不自然な表現が多い | 正確で自然な表現 | 滑らかだが、誤訳も見られる |
2000語 | 主語が曖昧で、不自然な表現が多い | 主語の明示による誤読防止に優れる | 訳文の滑らかさに優れる |
3000語 | 不自然でぎこちない表現が多い | 滑らかだが、誤訳も見られる | 滑らかだが、誤訳も見られる |
4000語 | 不自然な表現が多い | 助詞の使い方が正確 | 長文の翻訳に優れる |
和訳サイトは、翻訳機能以外にも、以下のように様々な機能を備えています。
PDFファイルの翻訳では、レイアウトを維持できるかどうかが重要です。多くの和訳サイトでは、PDFファイルを翻訳すると、レイアウトが崩れてしまうことがあります。しかし、Readableは、PDFのレイアウトを維持したまま翻訳できるため、論文やビジネス文書など、レイアウトが重要な文書の翻訳に最適です。
Readableは、独自のAI翻訳機能を駆使することで、PDFのレイアウトを崩さずに翻訳しています。例えば、論文をReadableで翻訳した場合、図表や数式、ページ番号などが原文と同じ位置に配置されたまま翻訳されます。これは、論文の構成を理解する上で非常に重要です。
Readable公式ページを見てみる
セキュリティも和訳サイトを選ぶ上で重要なポイントです。特に、ビジネス文書など機密情報を含む文章を翻訳する場合は、セキュリティ対策が万全なサイトを選ぶ必要があります。
無料の和訳サイトでは、入力されたテキストがサーバーに保存され、アルゴリズムの改善に利用されることがあり、機密情報の漏洩リスクが懸念されます。一方、有料の和訳サイトでは、多くの場合、通信の暗号化やデータの削除など、セキュリティ対策が充実しています。
DeepL Proでは、翻訳が完了次第、すべてのテキストが削除されます。また、みらい翻訳は、ISO27001、ISO27017のセキュリティ要件に準拠して運用しているため、情報漏洩対策も万全です。COTOHA Translatorも、翻訳元データ・翻訳結果データは全て暗号化されるなど、セキュリティ対策に力を入れています。
セキュリティ対策が気になる場合は、各サイトのプライバシーポリシーやセキュリティに関する情報を確認しましょう。
論文翻訳では、専門用語や複雑な文章構造に対応できる高い翻訳精度が求められます。
ビジネス文書の翻訳では、正確性に加えて、機密情報の保護も重要です。
日常英会話では、スピードと使いやすさが重要です。
DeepL翻訳は、ドイツのDeepL GmbHが開発したAI翻訳サービスです。深層学習を用いたAI翻訳エンジンにより、高い翻訳精度を実現しています。DeepL翻訳は、2017年にサービスを開始し、現在では33の言語に対応しています。
主な特徴として、高精度な翻訳、自然な日本語、ファイル翻訳、用語集機能、イギリス英語とアメリカ英語の区別などが挙げられます。口語表現や方言にも対応しており、文体やトーンを調整も可能です。
DeepL翻訳は、翻訳精度が高く、自然な日本語で翻訳できるため、様々なシーンで利用されています。例えば、海外企業とのメールのやり取りや、海外の文献を読む際に役立ちます。PDFなどの文書ファイルも翻訳できるため、ビジネスシーンでも活用されています。
無料版では、翻訳できる文字数に制限がありますが、有料版では制限なく利用できます。有料版では、APIを利用して他のアプリケーションとの連携もできます。
Google翻訳は、Googleが提供する無料の翻訳サービスです。約130の言語に対応しており、世界中の言語を翻訳できます。シンプルな操作性で、誰でも簡単に利用できます。
主な特徴として、多言語対応、豊富な機能(Webページ翻訳、音声入力、画像翻訳など)、リアルタイム翻訳、オフライン翻訳などがあります。Google翻訳は、多言語に対応しており、様々な機能を備えているため、幅広いシーンで利用されています。例えば、海外旅行先で現地の言語を翻訳したり、外国語のニュースサイトを読む際に役立ちます。ビジネスシーンでは、海外の取引先とのコミュニケーションツールとしても活用されています。
Google翻訳は、無料で利用できるため、手軽に翻訳を試したい場合に便利です。ただし、翻訳精度が有料のDeepL翻訳に劣るという意見もあります。フォーマルな文章の翻訳に適しており、くだけた文章や長文の翻訳には不向きです。
みらい翻訳は、株式会社みらい翻訳が提供するAI翻訳サービスです。TOEIC960点レベルの翻訳精度を誇り、高品質な翻訳を提供しています。機密情報の取り扱いにも長けており、情報漏洩対策も万全です。
主な特徴として、高精度な翻訳、セキュリティ対策の充実、多様なファイル形式に対応、専門用語の翻訳に強いなどがあります。みらい翻訳は、高い翻訳精度とセキュリティ対策を両立させているため、ビジネスシーンで重要な文書を翻訳する際に最適です。例えば、契約書や社内文書、特許などの翻訳に利用されています。
みらい翻訳は、無料トライアルが用意されているため、実際に試してから利用するかを検討できます。
Weblio翻訳は、オンライン辞書サービス「Weblio」が提供する翻訳サイトです。翻訳結果が文章ごとに確認できるなど、わかりやすい仕様になっています。
主な特徴として、辞書と連携した翻訳、翻訳結果のわかりやすさ、文体の選択が可能(「です・ます調」と「だ・である調」)などが挙げられます。Weblio翻訳は、辞書と連携しているため、単語の意味を調べながら翻訳できます。また、翻訳結果が文章ごとに表示されるため、誤訳や不自然な表現を見つけやすくなっています。
Weblio翻訳は、無料で利用できます。ただし、翻訳できる文字数に制限があります。
Bing Microsoft Translatorは、Microsoftが提供する翻訳サービスです。IT系の文章の翻訳に強いとされています。音声入力にも対応しており、読み上げた音声をリアルタイムで翻訳してくれます。
主な特徴は、IT系文章の翻訳に強い、音声入力に対応、リアルタイム翻訳などです。Bing Microsoft Translatorは、IT系の専門用語に強いため、技術文書やマニュアルなどの翻訳に適しています。音声入力にも対応しているため、外国語でのプレゼンテーションや会議などでも活用できます。
Bing Microsoft Translatorは、無料で利用できます。ただし、翻訳できる文字数に制限があります。
みんなの自動翻訳@TexTraは、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発した翻訳エンジンを搭載したサイトです。金融、特許、ニュースなど、分野に特化した翻訳が可能です。1回につき4000バイト以内(約1333文字)の制限があります。
主な特徴として、分野に特化した翻訳、用語検索機能、類似文検索機能などがあります。みんなの自動翻訳@TexTraは、専門性の高い文書の翻訳に適しています。金融、特許、法律など、それぞれの分野に特化した翻訳エンジンを選択することで、より正確な翻訳が可能です。
COTOHA Translatorは、NTTコミュニケーションズ株式会社が提供するAI翻訳プラットフォームです。高精度な翻訳とセキュリティの強みが特徴です。
主な特徴として、高精度な翻訳、セキュリティ対策の充実、Word、PDF、Excel、PowerPointなどのファイル形式に対応、専門用語や固有名詞の辞書登録が可能などがあります。COTOHA Translatorは、ビジネスシーンで利用される文書の翻訳に適しています。高い翻訳精度とセキュリティ対策により、安心して重要な文書を翻訳できます。
COTOHA Translatorは、無料トライアルが用意されています。
Readableは、株式会社ネクストラボが提供する、英文PDFのレイアウトを維持したまま高精度な翻訳が可能なサービスです。論文やビジネス文書、書籍など、複雑なレイアウトの文書でも、レイアウトを崩さずに翻訳できるため、様々なシーンで活用できます。
Readableの特徴は、以下の点が挙げられます。
Readableは、実際に多くの企業や研究機関で導入されており、高い評価を得ています。例えば、ある大学では、Readableを導入することで、論文翻訳にかかる時間を大幅に短縮できたという実績があります。
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Claudeは、Anthropicが開発したAIチャットボットです。100以上の言語に対応しており、高い翻訳精度と自然な日本語の出力が特徴です。倫理的な配慮がなされており、不適切な内容の翻訳を避ける傾向があります。
主な特徴として、自然で流暢な日本語、多言語対応、倫理的な配慮、会話形式などが挙げられます。Claudeは、チャット形式で翻訳できるので、気軽に利用できます。倫理的な配慮がなされているため、安心して利用できます。
LINE英語翻訳は、LINEアプリ上で利用できる翻訳サービスです。LINEのトーク画面でそのまま翻訳できるので、日常英会話で役立ちます。
主な特徴として、LINEと連携した翻訳、使いやすさ、リアルタイム翻訳などが挙げられます。LINE英語翻訳は、LINEで頻繁に連絡を取り合う相手とのコミュニケーションに役立ちます。音声入力にも対応しているため、外国語を話す相手とリアルタイムで会話できます。
LINE英語翻訳は、LINEアプリをインストールしていれば、無料で利用できます。
Papagoは、NAVERが提供するAI翻訳サービスです。テキスト、音声、画像の3つから翻訳ができるアプリです。特に、旅行先などで役立ちます。オフライン翻訳にも対応しています。
主な特徴として、テキスト、音声、画像に対応、オフライン翻訳、旅行に便利な機能(通貨換算、現地情報など)などが挙げられます。Papagoは、海外旅行先で言葉が通じないときに役立ちます。音声翻訳機能を使えば、外国語を話す相手とコミュニケーションをとることができます。画像翻訳機能を使えば、メニューや看板などを翻訳できます。
Papagoは、無料で利用できます。
英語の論文やビジネス文書の翻訳に、どの和訳サイトを使えばいいのか悩んでいた方も、今回の記事でそれぞれのサイトの特徴を理解し、最適なサイトを選べるようになったのではないでしょうか?
和訳サイトは、それぞれに得意な分野や機能が異なります。翻訳精度、対応言語数、機能、セキュリティ対策などを考慮し、自分の目的に合ったサイトを選ぶことが重要です。
今回の記事で紹介した11の和訳サイトを参考に、ぜひ色々なサイトを試してみて下さい。きっと、あなたの翻訳作業を効率化してくれる最適な和訳サイトが見つかるはずです。
研究や論文執筆にはたくさんの英語論文を読む必要がありますが、英語の苦手な方にとっては大変な作業ですよね。
そんな時に役立つのが、PDFをそのまま翻訳してくれるサービス「Readable」です。
Readableは、PDFのレイアウトを崩さずに翻訳することができるので、図表や数式も見やすいまま理解することができます。
翻訳スピードも速く、約30秒でファイルの翻訳が完了。しかも、翻訳前と翻訳後のファイルを並べて表示できるので、英語の表現と日本語訳を比較しながら読み進められます。
「専門外の論文を読むのに便利」「文章の多い論文を読む際に重宝している」と、研究者や学生から高い評価を得ています。
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東大応用物理学科卒業後、ソニー情報処理研究所にて、CD、AI、スペクトラム拡散などの研究開発に従事。
MIT電子工学・コンピュータサイエンスPh.D取得。光通信分野。
ノーテルネットワークス VP、VLSI Technology 日本法人社長、シーメンスKK VPなどを歴任。最近はハイテク・スタートアップの経営支援のかたわら、web3xAI分野を自ら研究。
元金沢大学客員教授。著書2冊。