英語の論文や文献を読まなければならないのに、専門用語が多くてなかなか読み進められない…。海外の取引先とメールのやり取りをしなければならないが、英語でうまく表現できるか不安…。そんな悩みをお持ちの研究者やビジネスパーソンの方も多いのではないでしょうか?
AI翻訳サービスのDeepL翻訳は、その高い翻訳精度と自然な日本語訳で、多くの研究者やビジネスパーソンから支持されています。
Google翻訳などの他の翻訳サービスと比較して、DeepL翻訳はより自然で正確な翻訳で、学術研究やビジネスの現場で役立っています。
本記事では、DeepL翻訳の精度、料金、使い方、Google翻訳との違いなどについて詳しく解説していきます。
目次
DeepL翻訳は、ドイツのDeepL SEが開発したAI翻訳サービスです。2017年8月にサービスを開始し、その高い翻訳精度で多くのユーザーから支持され、現在では世界中の研究者やビジネスパーソンに利用されています。DeepL翻訳は、ニューラルネットワークと呼ばれる技術を用いており、大量のテキストデータを学習することで、より自然で正確な翻訳を実現しています。
DeepL翻訳は、従来のルールベースの機械翻訳とは異なり、深層学習(ディープラーニング)と呼ばれるAI技術を用いています。深層学習は、人間の脳の神経回路を模倣した技術で、大量のデータからパターンを学習します。DeepL翻訳は、この深層学習を用いることで、文脈を理解し、より自然で正確な翻訳を生成できるのです。
DeepL翻訳の開発元であるDeepL SEは、高品質な翻訳データの確保に力を入れています。インターネット上の膨大な量の翻訳データから、高品質なデータのみを厳選して学習に利用することで、DeepL翻訳は高い精度を実現しています。また、DeepL SEは、優秀な数学者やコンピュータサイエンティストを積極的に採用し、DeepL翻訳の精度向上と、言葉の壁のない世界の実現に向けて、研究開発に力を入れています。
DeepL翻訳は、深層学習(ディープラーニング)と呼ばれるAI技術を駆使して開発されたニューラル機械翻訳エンジンです。従来の機械翻訳とは異なり、文全体の意味を理解した上で翻訳を行うため、より自然で人間らしい翻訳文を出力できます。
DeepL翻訳の精度の高さは、質の高い学習データにあります。DeepL翻訳は、インターネット上の膨大な量の翻訳データから、高品質なデータのみを厳選して学習しています。厳選された学習データを用いることで、DeepL翻訳は高い精度を実現しています。
さらに、DeepL翻訳は「教師あり学習」と呼ばれる手法を用いて、ニューラルネットワークを学習させています。これは、人間が作成した翻訳データとDeepL翻訳の出力結果を比較し、その差を修正していくことで、翻訳精度を向上させる方法です。この学習プロセスを通じて、DeepL翻訳はより自然で正確な翻訳を生成できるようになっています。
また、DeepL翻訳は、分散型のシステムを採用することで、高速な処理を実現しています。これにより、大量のデータを効率的に処理し、高精度な翻訳を迅速に提供できるのです。
DeepL翻訳には、以下のような特徴があります。
DeepL翻訳の精度が高い理由は、主に以下の3点にあります。
DeepLは「品質優先」のアプローチを採用しています。新規言語の追加にあたっては、言語学者との協業による厳格な品質検証プロセスを経ており、単なる言語数の増加ではなく、実際のビジネス利用に耐える翻訳品質の維持に重点を置いています。
特に2025年に導入された次世代言語モデルでは、英語と日本語の組み合わせで従来比1.7倍の品質向上が確認されるなど、技術的進化が顕著です。
DeepL翻訳とGoogle翻訳の精度を比較すると、DeepL翻訳は、Google翻訳と比較して、翻訳精度、自然さ、文脈理解のいずれにおいても優れていると言えます。
項目 | DeepL翻訳 | Google翻訳 |
翻訳精度 | 高い | やや低い |
自然さ | 自然 | やや不自然 |
文脈理解 | 高い | やや低い |
対応言語数 | 35言語(2025年2月時点) | 243言語(2025年2月時点) |
ファイル翻訳 | 可能 | 不可能 |
用語集機能 | 使用可能 | 不可能 |
CATツール連携 | 可能 | 不可能 |
DeepL翻訳は対応言語数は少ないものの、主要なヨーロッパ言語を中心に、高精度な翻訳の提供に重点を置いています。翻訳したい言語によってはGoogle翻訳の方が適している場合もあります。
DeepL翻訳の精度は、実際にDeepL翻訳を使って翻訳を行い、その結果を自分で評価してみるのが一番です。具体的には、以下のような方法があります。
DeepL翻訳は、自然で流暢な文章を翻訳する能力においては非常に優れています。一般的な文章や専門用語の少ない文書に対しては、高い精度で翻訳を行うことができます。しかし、専門用語の多い論文などにおいては、正確な翻訳が難しいという課題もあります。特に医療翻訳においては、専門用語の多さや複雑さが課題となります。
Readableは、株式会社ネクストラボが提供する英文PDF翻訳に特化したサービスです。独自の翻訳エンジンとレイアウト保持技術により、PDFのレイアウトを維持したまま高精度な翻訳を実現します。図表や数式を含む論文でも、原文のレイアウトそのままに翻訳されるため、理解度を落とすことなく内容を把握できます。
Readableは、PDFのレイアウト保持に特化したツールであるため、他のツールでは対応できない複雑なレイアウトにも対応できます。例えば、複数列の論文や、図表と本文が複雑に組み合わさった論文でも、原文のレイアウトを忠実に再現した翻訳結果を得られます。
また、Readableは、翻訳精度も高く、専門用語や複雑な構文にも対応できます。さらに、翻訳結果を原文と並べて表示できるため、翻訳の正確性を容易に確認できます。Readableは、無料トライアルを提供しており、翻訳品質や使い心地を実際に試してから有料プランに加入できます。
Readableは、レイアウト保持機能を豊富な事例で実証している点もメリットです。例えば、米国心理科学会の論文を翻訳した際、2段組みのレイアウトを完全に維持したまま翻訳できることが実証されています。また、Readableは、慶應義塾大学環境情報学部の神成教授や沖縄科学技術大学院大学の山田准教授にも高く評価されています。
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DeepL翻訳には、無料版と有料版(DeepL Pro)があります。無料版と有料版の主な違いは以下の通りです。
機能 | 無料版 | 有料版 |
1回の翻訳文字数制限 | 5,000文字 | 無制限 |
ファイル翻訳 | 可能(編集不可) | 可能(編集可能) |
月間ファイル翻訳数 | 3ファイル | 5ファイル以上(プランによる) |
ファイルサイズ制限 | 5MB | 10MB以上(プランによる) |
セキュリティ | 入力データが学習データとして使用される可能性あり | 入力データは保護され、学習データとして使用されない |
用語集機能 | 使用不可 | 使用可能 |
CATツール連携 | 使用不可 | 使用可能 |
DeepL Write文字数制限 | 2,000文字まで | 無制限 |
無料版は、個人利用や簡単な翻訳に適しています。一方、有料版は、ビジネス利用や大量の翻訳、セキュリティが重要な翻訳に適しています。DeepL Proは、入力した内容は永続的にサーバー内に保存されることはなく、サービス向上を目的としてテキストが使用されることはありません。ビジネスの場では社外に流出してはならない情報を扱うことが多いため、セキュリティが確保された有料版の利用が望ましいといえます。また、未発表データを扱う研究者にとっても、有料版のセキュリティ面は安心材料となります。
DeepL Proの料金プランは、以下の3つがあります。
プラン名 | 月額料金(年契約) | 年額料金 | ファイル翻訳数/月 | 用語集管理 | 主な対象ユーザー |
Starter | 1,150円 | 13,800円 | 5ファイル | 1つ(5,000ペア) | 個人・小規模フリーランス |
Advanced | 3,750円 | 34,800円 | 20ファイル | 2,000個 | 中小企業・プロ翻訳者 |
Ultimate | 7,500円 | 90,000円 | 100ファイル | 2,000個 | 大企業・多言語プロジェクト |
DeepL Proは、30日間の無料トライアルが可能です。無料トライアルでは、すべての機能を制限なく利用できます。DeepL Proの購入を検討している方は、まず無料トライアルでDeepL Proの機能や使い勝手を試してみることをお勧めします。無料トライアル期間中は、いつでもキャンセルできます。
DeepL翻訳のWebサイトは、非常にシンプルで使いやすいです。翻訳したいテキストを入力欄に貼り付けるか、キーボードで入力するだけで、瞬時に翻訳結果が表示されます。また、翻訳したい言語を選択できます。
DeepLのブラウザ拡張機能を使うことで、ブラウザ全体の翻訳も瞬時に可能です。これは、Webサイトで公開されている論文や文献を読む際に非常に便利です。
DeepL翻訳のWebサイトでは、テキスト翻訳だけでなく、ファイル翻訳も可能です。PDF、Word、PowerPointなどのファイルをアップロードすることで、ファイル全体を翻訳できます。翻訳後のファイルは、元のレイアウトを維持したままダウンロードできます。
DeepL翻訳のデスクトップアプリは、WindowsとMacに対応しています。デスクトップアプリをインストールすることで、Webサイトを開かなくても、いつでもDeepL翻訳を利用できます。また、デスクトップアプリでは、オフラインでも翻訳が可能です。
デスクトップアプリは、Webサイト版と比べて、以下の点が優れています。
頻繁にDeepL翻訳を利用する方は、デスクトップアプリをインストールすることをお勧めします。
DeepL翻訳のモバイルアプリは、iOSとAndroidに対応しています。モバイルアプリでは、カメラで撮影したテキストを翻訳したり、音声入力で翻訳したりできます。
モバイルアプリは、外出先でDeepL翻訳を利用したい場合に便利です。例えば、海外旅行中に、レストランのメニューを翻訳したり、街中の看板を翻訳したりする際に、モバイルアプリが役立ちます。
DeepL翻訳は、Google翻訳と比較して、翻訳精度が高いとされています。これは、DeepL翻訳が、より高品質な学習データを使用し、高度なニューラルネットワークを採用しているためです。DeepL翻訳は、文脈を理解した上で翻訳を行うため、より自然で正確な翻訳結果を得ることができます。
DeepL翻訳は、2025年2月現在、35言語に対応しています。一方、Google翻訳は、200以上の言語に対応しています。DeepL翻訳は、対応言語数は少ないものの、主要なヨーロッパ言語を中心に、高精度な翻訳の提供に重点を置いています。一方、Google翻訳は、対応言語数は多いものの、翻訳精度にはばらつきがあります。
DeepL翻訳は、Google翻訳と比較して、機能面では以下の点が異なります。
DeepL翻訳は、学術論文の翻訳にも活用できます。PDFファイルをそのまま翻訳できるため、論文の構成を崩すことなく翻訳できます。ただし、専門用語の多い論文の場合、誤訳や訳抜けが発生する可能性もあるため、注意が必要です。
DeepL翻訳は、論文全体の翻訳だけでなく、部分的な翻訳にも役立ちます。例えば、アブストラクトや結論だけを翻訳して、論文の内容をざっくりと把握したい場合や、参考文献リストを翻訳して、関連する論文を効率的に探したい場合などにも、DeepL翻訳は効果を発揮します。
また、DeepL翻訳は、論文の英文校正にも活用できます。DeepL翻訳で日本語の論文を英語に翻訳し、その結果を原文と比較することで、英文の誤りや改善点を見つけることができます。これは、英語ネイティブでない研究者にとって、非常に役立つ機能と言えるでしょう。
DeepLは、DeepL WriteというAI搭載の校正ツールを提供しています。DeepL Writeは、文章を分析し文脈を把握した上で、元の文章の主旨を損なうことなく文章の明瞭さ、スタイル、流れを向上させます。DeepL Writeは、さまざまな参照資料を要約し、学術論文に使用できます。また、推敲過程で学術用の文体を維持し、複雑な概念も明確に表現できます。
DeepL Writeは、文法やスペルミスを修正するだけでなく、より自然で効果的な表現を提案してくれます。例えば、「この研究は重要である」という文章を入力すると、DeepL Writeは「本研究は重要な知見をもたらす」といった、より学術的な表現を提案してくれるでしょう。
DeepL Writeは、英語の論文やレポートを作成する際に、非常に役立つツールです。特に、英語ネイティブでない研究者にとって、DeepL Writeは、英文の質を高め、論文の完成度を高めるための強力なサポートツールとなるでしょう。
DeepL翻訳は、ビジネス文書の翻訳にも役立ちます。契約書、提案書、プレゼン資料など、さまざまなビジネス文書を、高精度かつ自然な日本語に翻訳できます。海外の取引先とメールでやり取りするときに、DeepLを活用できます。元のファイル形式を維持できるため、文字化けしにくい点もメリットです。
DeepL翻訳は、ビジネス文書の翻訳においても、その高精度な翻訳と自然な表現力を発揮します。例えば、海外の取引先との契約書を翻訳する場合、DeepL翻訳は、法律用語や専門用語を正確に翻訳し、契約内容を明確に伝えることができます。
また、DeepL翻訳は、プレゼン資料の翻訳にも効果的です。プレゼン資料は、視覚的な要素も重要ですが、DeepL翻訳は、原文のレイアウトを維持したまま翻訳を行うことができるため、プレゼン資料の見栄えを損なうことなく、翻訳できます。
DeepL翻訳は、Webサイトの翻訳にも利用できます。Webサイト全体を翻訳することで、海外のユーザーにもWebサイトの内容を理解してもらうことができます。DeepLのブラウザ拡張機能を使うことで、ブラウザ全体の翻訳も瞬時にできます。例えば、科学ジャーナルのホームページをそのままDeepLで翻訳できます。Google Chromeなどのブラウザ自体についている翻訳機能とは、精度が全く違うとされています!
DeepL翻訳は、Webサイトの翻訳においても、その高精度な翻訳と自然な表現力を発揮します。例えば、企業のWebサイトを多言語化する場合、DeepL翻訳は、Webサイトのコンテンツを正確に翻訳し、海外のユーザーにも分かりやすく情報を伝えることができます。
また、DeepL翻訳は、WebサイトのSEO対策にも効果的です。DeepL翻訳でWebサイトを多言語化することで、海外の検索エンジンからのアクセスを増やし、Webサイトの露出度を高めることができます。
DeepL翻訳は、高精度な翻訳と自然な日本語訳で、英語の論文や文献を読む機会が多い研究者や、海外の取引先と英語でコミュニケーションをとる必要のあるビジネスパーソンにとって非常に便利なツールです。
無料版でも十分にその性能を体験できますが、より高度な機能やセキュリティを求める場合は、有料版のDeepL Proを検討してください。DeepL Proは、翻訳結果の編集、ファイル翻訳、用語集機能、CATツール連携など、無料版にはない機能が充実しています。また、入力データのセキュリティ保護も強化されています。
DeepL翻訳を活用することで、言語の壁を感じることなく、研究やビジネスをスムーズに進めることができるでしょう。ぜひDeepL翻訳を試して、その精度と使いやすさを実感してください。
研究や論文執筆にはたくさんの英語論文を読む必要がありますが、英語の苦手な方にとっては大変な作業ですよね。
そんな時に役立つのが、PDFをそのまま翻訳してくれるサービス「Readable」です。
Readableは、PDFのレイアウトを崩さずに翻訳することができるので、図表や数式も見やすいまま理解することができます。
翻訳スピードも速く、約30秒でファイルの翻訳が完了。しかも、翻訳前と翻訳後のファイルを並べて表示できるので、英語の表現と日本語訳を比較しながら読み進められます。
「専門外の論文を読むのに便利」「文章の多い論文を読む際に重宝している」と、研究者や学生から高い評価を得ています。
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東大応用物理学科卒業後、ソニー情報処理研究所にて、CD、AI、スペクトラム拡散などの研究開発に従事。
MIT電子工学・コンピュータサイエンスPh.D取得。光通信分野。
ノーテルネットワークス VP、VLSI Technology 日本法人社長、シーメンスKK VPなどを歴任。最近はハイテク・スタートアップの経営支援のかたわら、web3xAI分野を自ら研究。
元金沢大学客員教授。著書2冊。