英語論文を読まなければならないけれど、専門用語や複雑な構文に悩まされていませんか?時間がかかってしまう、情報量が多すぎて重要なポイントが掴めない、PDFのレイアウトが崩れてしまう…そんな悩みをお持ちのあなた。
AI翻訳ツールや論文翻訳サービス、そして生成AIを使えば、これらの悩みを解決できます。
最新のAI翻訳ツールは、次のような、様々な機能を備えています。
論文翻訳サービスでは、専門知識を持った翻訳者が高品質な翻訳を提供します。
生成AIは、論文の要約や校正など、翻訳以外の用途にも活用できます。
本記事では、英語論文の翻訳に役立つツールとサービスを徹底比較し、あなたにぴったりのツールを見つけるお手伝いをします。
英語論文翻訳のニーズと課題
論文翻訳には、正確性、スピード、効率性、そしてコストパフォーマンスが求められます。
論文翻訳に活用できるツール・サービスは、大きく以下の3つに分類できます。
論文翻訳に適したツールを選ぶには、以下のポイントを考慮しましょう。
DeepL翻訳は、ドイツのDeepL社が開発したAI翻訳ツールです。深層学習技術を活用し、高い翻訳精度と自然な文章表現で知られています。特に、ヨーロッパ言語の翻訳に強く、日本語の翻訳精度も高いと評価されています。無料版と有料版(DeepL Pro)があり、無料版でも5,000字まで、あるいは月に3ファイルまで翻訳が可能です。DeepLは、PDFファイルを直接アップロードして翻訳できます。フォント、イメージ、フォーマットを維持したまま翻訳可能とうたっています。
DeepL翻訳の使い方
DeepL翻訳は、ウェブサイト、デスクトップアプリ、Google Chromeの拡張機能など、様々なプラットフォームで利用できます。
DeepL Pro
DeepL Proは、より高度な翻訳機能を提供する有料版です。3つのプラン(Starter、Advanced、Ultimate)が用意されており、それぞれ翻訳可能な文字数やファイル数、APIアクセスなどが異なります。DeepL Proでは、欧州の言語で使用される敬称や親称を自動的に切り替えることができる機能や翻訳支援(CAT)ツールへの組み込み機能、セキュリティ機能などが利用できるようになります。また、DeepL Proは30日間の無料トライアルを提供しており、いつでもキャンセル可能です。
T-4OOは、株式会社ロゼッタが開発したAI翻訳ツールです。2,000以上の専門分野に対応した翻訳エンジンを搭載し、高い翻訳精度を実現しています。法務、医薬、金融、化学、IT、機械など、幅広い分野の論文翻訳に利用できます。
T-4OOは、PDF、Word、Excel、PowerPointなどのファイルを、レイアウトを維持したまま翻訳できるとうたっています。また、Webサイトの翻訳にも対応しています。
T-4OOの特徴
T-4OOの使い方
論文翻訳サービスは、プロの翻訳者による翻訳サービスです。専門知識を持った翻訳者が、論文の内容を正確に理解し、高品質な翻訳を提供します。翻訳会社によっては、分野別に翻訳者を配置している場合があり、より専門性の高い翻訳が期待できます。
論文翻訳サービスを利用するメリット・デメリットとして、以下のような点が挙げられます。
メリット
デメリット
DeepL Pro-辞書機能で専門用語に対応
DeepL Proは、DeepLの有料版で、より高度な翻訳機能を提供します。その中でも、論文翻訳に役立つ機能の一つが辞書機能です。翻訳結果に表示される単語をクリックすると、意味や例文が表示され、文脈に合った適切な訳語を選択できます。また、独自の用語集を作成し、特定の単語を常に同じ訳語で翻訳することも可能です。
DeepL Proは、3つのプラン(Starter、Advanced、Ultimate)が用意されており、それぞれ翻訳可能な文字数やファイル数、APIアクセスなどが異なります。プランによって費用が異なるため、自身のニーズに合わせて最適なプランを選びましょう。
DeepL Proは、30日間の無料トライアルを提供しており、いつでもキャンセル可能です。無料トライアルでDeepL Proの機能を試してみて、使い心地を確認してから有料プランに加入するかを検討できます。
ライフサイエンス辞書は、医学・生命科学用語に特化した電子辞書です。1993年に京都大学の先生が作成し、長年にわたり多くの研究者や学生に利用されています。
有名学術誌をもとに英単語を分析し、類義語を整理したシソーラス(似たような語や関連した語を意味によって分類・整列したもの)をまとめている点が特徴です。ライフサイエンス辞書は、普通の辞書としても使えますが、「シソーラス」で概念ツリーや関連語を調べられるのが便利です。
例えば、「治療」を意味する英単語を調べると、「treatment」「therapy」「cure」「remedy」など、様々な類義語が表示されます。それぞれの単語の微妙なニュアンスの違いや、使用される文脈などを理解することで、より正確な翻訳を行うことができます。
1paperは、株式会社Feynma Technologyが提供する、専門家・技術者・研究者向けの論文翻訳AIです。PDF形式の英語論文を、短時間で自然な日本語に翻訳し、Word形式で出力できます。
1paperは、DeepLの翻訳エンジンを使用し、最新研究の英語論文に頻出する専門用語や難解な表現も、自然な日本語に翻訳します。ウェブブラウザ上でログインして、翻訳したい論文ファイルをドラッグ&ドロップ、翻訳開始ボタンを押すだけのシンプルな操作で使用できます。平均的な長さの論文は、約1分で翻訳が完了します。
1paperは、新たに画像ファイルの文字認識技術を搭載しました。本機能を活用すれば、スキャンデータのように文字情報が埋め込まれていない、画像形式の論文ファイル(PDFファイルに限る)でも、文章のまとまりを認識して自然な日本語に翻訳できます。
Readable-レイアウトを保持したまま翻訳(実証済み)
Readableは、株式会社ネクストラボが提供する英文PDF翻訳に特化したサービスです。独自の翻訳エンジンとレイアウト保持技術により、PDFのレイアウトを維持したまま高精度な翻訳を実現します。図表や数式を含む論文でも、原文のレイアウトそのままに翻訳されるため、理解度を落とすことなく内容を把握できます。
Readableは、PDFのレイアウト保持に特化したツールであるため、他のツールでは対応できない複雑なレイアウトにも対応できます。例えば、複数列の論文や、図表と本文が複雑に組み合わさった論文でも、原文のレイアウトを忠実に再現した翻訳結果を得られます。
また、Readableは、翻訳精度も高く、専門用語や複雑な構文にも対応できます。さらに、翻訳結果を原文と並べて表示できるため、翻訳の正確性を容易に確認できます。Readableは、無料トライアルを提供しており、翻訳品質や使い心地を実際に試してから有料プランに加入できます。
Readableは、レイアウト保持機能を豊富な事例で実証している点もメリットです。例えば、米国心理科学会の論文を翻訳した際、2段組みのレイアウトを完全に維持したまま翻訳できることが実証されています。また、Readableは、慶應義塾大学環境情報学部の神成教授や沖縄科学技術大学院大学の山田准教授にも高く評価されています。
Readable公式ページを見てみる
T-4OOは、PDFファイルを翻訳後、Word形式で出力できます。これにより、翻訳結果をWordで編集したり、他の資料に転用したりすることが容易になります。ただし、Word形式で出力した場合、レイアウトが崩れる可能性があります。
T-4OOは、PDFのレイアウトを保持したまま翻訳できるだけでなく、Word形式で出力することで、翻訳結果を自由に編集できるというメリットがあります。例えば、翻訳結果に注釈を追加したり、不要な部分を削除したりできます。また、T-4OOは、Word形式だけでなく、ExcelやPowerPointなどの形式でも出力できるので、論文の内容に合わせて最適な形式で出力できます。
Shaperは、DeepLと連携してPDFのレイアウトを保持したまま翻訳できるWebアプリケーションです。PDFファイルをShaperにアップロードし、DeepLで翻訳することで、レイアウトを維持したまま翻訳できます。
DeepLでPDFを翻訳する際に、改行やスペースの調整が面倒な場合に役立ちます。Shaperは、PDFの文章から改行やハイフネーションを取り除いてくれるため、DeepLで翻訳する前にテキストを整形する手間を省くことができます。
Google翻訳は、Googleが提供する無料の翻訳ツールです。世界中で広く利用されており、100以上の言語に対応しています。Webページ全体を翻訳する機能や、画像内の文字を翻訳する機能など、便利な機能も備えています。
ただし、入力したデータがGoogle社のサービス改善のために二次利用される可能性があるため、機密情報を含む論文を翻訳する際には注意が必要です。
Google翻訳は、無料で利用できるため、コストパフォーマンスに優れています。また、様々なプラットフォームで利用できる点もメリットです。Google翻訳は、ウェブサイト、モバイルアプリ、Google Chromeの拡張機能など、様々なプラットフォームで利用できます。
DeepL翻訳は、無料版でも高精度な翻訳が可能です。最大5,000字までの翻訳や、1ヶ月に3ファイルまでのファイル翻訳が可能です。専門用語の少ない論文や、アブストラクトの翻訳などに便利です。
DeepL翻訳は、無料版でもDeepL Proと同じ翻訳エンジンを使用しているため、高精度な翻訳が可能です。ただし、無料版では翻訳可能な文字数やファイル数に制限があります。
Google Chromeの拡張機能を利用すれば、Webページ上の文章を選択するだけで簡単に翻訳できます。アプリのようにコピー&ペーストする必要がなく、ブラウザ上で直接翻訳できるので便利です。
Google Chromeの拡張機能は、様々な翻訳サービスに対応しています。Google翻訳、DeepL翻訳、Microsoft翻訳など、主要な翻訳サービスの拡張機能が提供されています。
Shaperは、DeepLと連携してPDFのレイアウトを保持したまま翻訳できるWebアプリケーションです。PDFファイルをShaperにアップロードし、DeepLで翻訳することで、レイアウトを維持したまま翻訳できます。
DeepLでPDFを翻訳する際に、改行やスペースの調整が面倒な場合に役立ちます。Shaperは、PDFの文章から改行やハイフネーションを取り除いてくれるため、DeepLで翻訳する前にテキストを整形する手間を省くことができます。
生成AI翻訳の特徴とメリット
生成AIは、大量のテキストデータを学習し、文脈を理解した自然な文章を生成できるAIです。生成AIを活用した翻訳は、従来の機械翻訳よりも自然で、人間が書いたような翻訳文が得られるというメリットがあります。また、翻訳だけでなく、要約や校正など、様々な用途に活用できます。
生成AI翻訳は、まだ発展途上の技術ですが、以下の点で従来の機械翻訳よりも優れていると言えます。
ChatGPTで論文を翻訳する際には、適切なプロンプトを設定することが重要です。プロンプトとは、ChatGPTに対してどのように文章を生成するかを指示するための入力文です。適切なプロンプトを使用することで、より正確で文脈に合った翻訳結果を得ることができます。
例えば、以下のようなプロンプトを使うことができます。
また、プロンプトに具体的な指示を追加して、翻訳の精度をさらに高めることができます。例えば、「専門用語は英語のまま残してください」「句読点を修正してください」「敬体で翻訳してください」などの指示を追加できます。
生成AI翻訳は、まだ発展途上の技術であり、誤訳や訳抜けが発生する可能性があります。翻訳結果を必ず確認し、必要があれば修正を行いましょう。修正点をAIにフィードバックすると、翻訳精度が向上していく可能性があります。
生成AI翻訳の結果を確認する際には、以下の点に注意しましょう。
修正が必要な場合は、修正箇所をAIにフィードバックしましょう。フィードバックすることで、AIは学習し、翻訳精度が向上していく可能性があります。
英語論文の翻訳に苦労していた方も、この記事で紹介したツールやサービスを活用することで、効率的に論文を読み進められるようになったのではないでしょうか?
本記事では、AI翻訳ツール、論文翻訳サービスそして生成AIサービスを使った英語論文翻訳を紹介しました。それぞれのツールは、翻訳精度、専門分野への対応、PDFレイアウト保持など、異なる特徴を持っています。
これらのツールの中から、自身のニーズに合ったものを選択することで、論文翻訳の効率を大幅に向上させることができます。
例えば、DeepLは高い翻訳精度と自然な文章表現が特徴で、T-4OOは2,000以上の専門分野に対応した翻訳エンジンを搭載しています。Readableは複雑なPDFのレイアウトを保持したまま翻訳できるため、図表や数式を含む論文に最適です。
AI翻訳ツールは、日々進化を続けています。これらのツールを積極的に活用することで、グローバルな情報収集を効率的に行い、研究やビジネスの成功に繋げていきましょう。
研究や論文執筆にはたくさんの英語論文を読む必要がありますが、英語の苦手な方にとっては大変な作業ですよね。
そんな時に役立つのが、PDFをそのまま翻訳してくれるサービス「Readable」です。
Readableは、PDFのレイアウトを崩さずに翻訳することができるので、図表や数式も見やすいまま理解することができます。
翻訳スピードも速く、約30秒でファイルの翻訳が完了。しかも、翻訳前と翻訳後のファイルを並べて表示できるので、英語の表現と日本語訳を比較しながら読み進められます。
「専門外の論文を読むのに便利」「文章の多い論文を読む際に重宝している」と、研究者や学生から高い評価を得ています。
Readableを使えば、英語論文読みのハードルが下がり、研究効率が格段にアップ。今なら1週間の無料トライアルを実施中です。 研究に役立つReadableを、ぜひ一度お試しください!
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東大応用物理学科卒業後、ソニー情報処理研究所にて、CD、AI、スペクトラム拡散などの研究開発に従事。
MIT電子工学・コンピュータサイエンスPh.D取得。光通信分野。
ノーテルネットワークス VP、VLSI Technology 日本法人社長、シーメンスKK VPなどを歴任。最近はハイテク・スタートアップの経営支援のかたわら、web3xAI分野を自ら研究。
元金沢大学客員教授。著書2冊。